さてさて、まだまだ続く、プリオラート 「Tast amb Llopsオオカミたちとの宴」
プロモビデオ撮影第二弾。

フレディに出会ったお陰でその撮影に参加させてもらえることになった。
ド素人の私でいいのだろうか、もっとべっぴんさんのほうがいいのでは、とか
思ったけど、向こうがいいと言ってくれたのなら、悩む必要はないっ!素晴ら
しいチャンスだっ!と恥も外聞もなくオーケーしてしまった。。

グラタジョプス村での試飲会でのインタビューのほかにもワイナリーに行って
造り手の話を聞く場面も撮影するとのことで、Portal del Prioratの次はClos Mogadorへ。

あまりにも有名なルネ・バルビエのクロス・モガドール。
プリオラート復興の原動力となった4人組(アルバロ・パラシオス、ルネ・
バルビエ、カルラス・パストラーナ、ホセ・ルイス・ペレス)の一人。
「レルミタ」を手がけるアルバロ・パラシオスの名前が突出しているけど、実は、
ルネ・バルビエが1970年代に最初にこの土地の可能性を見出し、アルバロが
それに賛同し、一緒にやってきたのだそうだ。

バルビエ家はフランスの出身。ローヌでワインを造っていた家系で、1980年、
フィロキセラ禍に伴い、スペインに移住してきた。ローヌ出身だから、ガルナッ
チャの可能性を見抜いたのだろう。家族でグラタジョプスに移住し、ガルナッチャの
畑を買うところから始まった。1978年Clos Mogadorが創業。

奥様のイサベルが畑を案内してくれた。

クロス・モガドールの畑は、優しさに包まれていた。
自然との共生を重んじる栽培方法を貫き通してきたルネ、それが畑のそこここに
感じられる。除草剤や化学肥料は一切使わず、ビオディナミを導入、有機栽培に
取り込む。

Priorat23052009 108
イサベルが「円形劇場 (Anfiteatro)」と呼ぶ畑。
できるだけ地形を壊さないように作った畑。くねくねしている。

Priorat23052009 095
自然を壊さない栽培を徹底。そこら中に雑草、植物が植わり、100%ブドウ樹を
植えてしまわず、野生の植物が植わっている場所も残し、バランスを取りながら栽培。

Priorat23052009 123
カレーのようなスパイシーな香りのする黄色い花が多く咲いていた。
とてもキレイで、魅力的な香り。
こういった周辺の植物もブドウにもちろん影響するわけで。
とてもとても大切にしていることが、他のワイナリーの畑と比べると一目瞭然でわかる。

Priorat23052009 101
カメラマン、クリストフとクリストフ(ほんとに同じ名前なんです)。「クリストフ s」!

Priorat23052009 087
アルバロ・パラシオスの超モダンなワイナリーの横を入って下っていくと現れる
クロス・モガドールの畑とその間に見えるご自宅。
着くと、4匹の犬が吠え立てて出迎えてくれる。

Priorat23052009 128
奥には馬小屋があり、馬を4頭、Mula (雌のラバ)を飼っていて、ヒッピーな、自然、
動物との融合の生活。レネの謙虚で温かい人柄がにじみ出ている空間。

clos.jpg
ご自宅とは別にグラタジョプス村の近くにワイナリーがある。

Priorat23052009 132
ワイナリーは、自力で作業小屋を改造し、醸造所を築き上げたという、田舎家を
思い出させる建物。壁中が植物で覆われており、建物があまり見えないように
なっている。これも、自然との共生、だ。

Priorat23052009 138
クロス・モガドールのラインナップ。

Priorat23052009 142
静かにワインが眠るセラー。
ここで、ルネが説明してくれた。
このほど、クロス・モガドールは、スペインで唯一初めて「Vi de Finca」という呼称を
INCAVI(カタルーニャ州公認のワイン研究所)研究所から認められたのだそうだ。
「Vi de Finca」とは。DOQ プリオラートに加えて、少なくとも過去5年間において、
ワイン造りに使われるブドウが、100%Clos Mogador所有の畑からのみのもの、
ということが証明され、伝統を証明するもの。
よって、DOQ呼称の上を行くカテゴリーだ。
DOQの上に位置するものとして「Vinos de Pago」という呼称がスペインにはある。
それとの違いは何なのか、聞いてみると、レネは、「Vinos de Pago」はマーケティ
ング目的で、DOに指定されていない地域などでもどこでも好きなようにワインを
造ることができるため、この呼称には賛同できないのだそうだ。
彼のカタルーニャでの発言権は大きいのだろう。
カタルーニャには、よって「Vinos de Pago」呼称はない。
伝統を重んじる、DO、DOQ内の厳しい規定を通って、何年もの管理を経てやっと
得られる「Vi de Finca」はもっと重みがある、と。

Priorat23052009 166
見せてくれたビデオ、ルネのプレス法。
ナイロンでできた丸いゴザのようなものに選果したブドウを置いて、何枚も重ねて
伝統的なプレス機で優しくプレスする。これ以外に最良のプレス方法はいまだ
見つかってない、とレネ。見たことなかった、このやり方。感動。。

Priorat23052009 133
イサベルは絵画が趣味で、クロス・モガドールのワインの多くのエチケットに
彼女の絵が描かれている。
これはルネがモンサンで造るパーカーポイント99点を取った
「エスペクタクル (Espectacle)」のエチケットに使われている。

また、DOQプリオラートで最近新たに決まったこと。
スペインで初めて、プリオラートという大きな枠でなく、村の枠「Vino de Vila」で
呼称ができるようになる。
今までは、エチケットには「DOQ Priorat」のみが記載されていたが、今後は
「DOQ Priorat - Vi de Vila Gratallops」など(表現法はこれから決めるそうだ)が
エチケットに表現されることになり、人々は、プリオラートのワイン、ではなく、
プリオラートのどこどこの村のワインと、区別して話せるようになる。
フランスのビラージュAOCに当たり、に一歩近づいたということだ。
ただ、フランスは、1er Cru, Grand Cruなどまだあり、スペインは、まだまだその
状況に追いついていない、スペインには、フランス同様、素晴らしいワインを造る
素地があったのにも関わらず、そういう厳格な格付けを造ろうとする努力をして
こなかった、とルネ。本当にこれからなのだ、スペイン。

Priorat23052009 167
ルネとイサベル。

ルネとアルバロは大の親友なのだそうだ。醸造所に対するコンセプトも、ワインの
スタイルも、ワイン価格の設定も、考え方が異なる二人だけど、お互いを深く尊敬
し合い、お隣同士切磋琢磨しているのが感じられた。

70年代から弛まぬ努力を続け、今日も進化し続けるプリオラート。
こんな小さな地域がスペインのワイン史を変える牽引役となっている。
その中心に、ルネはいる。
年を重ねて尚も燃え滾る彼の信念、情熱には心から感動した。

本当にありがとう。

5月中旬に綴ったプリオラート、オオカミたちとの宴の続きで、またプリオラートに来ている。
ペーパードライバーな私、唯一運転できるスマート フォートゥーに乗って、デンジェラス
ドライバー発進!旦那に助けてもらいながら、なんとか辿り着いたプリオラート。

最初に訪れたのは、モンサンとプリオラートの両方で新しいスタイルのワインを造る
アルフレード・アリーバス氏のワイナリー、 Portal del Montsant - Portal del Priorat
5月のグラタジョプス村での「Tast amb Llops オオカミたちとの宴」で初めてお会いし、
プリオラートの新しくリリースしたワインを試飲させていただき、その美味しさに感動!
今回ワイナリーを訪問したのだ。

このアルフレード・アリーバス氏、何を隠そうスペインで最も著名な建築家の一人で、
世界中でもその名を知られている人なのだ。20年近く前から、建築の仕事に携り、
商業施設を主に、大都市の多くのホテル、バルセロナオリンピックの施設などを
手がけ、日本でも、福岡ドーム、ハウステンボスの一施設、札幌タワーなど、多くの
建築デザインを手がけてきたのだそうだ。

その彼が、ワインをこよなく愛し、2001年からワイン造りの道に傾倒、プリオラートと
モンサンの二つの土地で古い畑を購入、ワイナリーを創業したのだ。
右腕となる醸造家は若くも長年モンサンで醸造経験を積んできたリカルド・ロフェス氏。
栽培責任者の女の子もとても若く、若いエネルギーが溢れるワイナリー。

Priorat23052009 019
左から、リカルド氏、アルフレード氏、畑担当の方、事務を取りまとめるイサベルさん。

【プリオラート】

Priorat01052009 074

「オオカミたちとの宴」で飲んだプリオラートの赤。

NdN 2007 (写真右)
Somni 2007 (写真左)

2001年に古いカリニェナ、ガルナッチャなどの畑を購入。大事に育て、様々な研究を
重ね、満を持してリリースされたとも言うべき2007年ファーストビンテージ。
重厚感、凝縮感があって、それでいてエレガントなプリオラートの赤、でも、アルフレードの
赤で驚いたのがその爽やかさ。ガルナッチャ種など、爽やかさを出すのが難しい品種。
今まで飲んだことないプリオラート。これからのプリオラートの方向性を示すような完成
されたスタイル。参った。

Priorat23052009 042
プリオラートの畑。できるだけ自然の状態で。株ごとの収量は1〜1.5kgと大変少ない。

Priorat23052009 032
標高300mほど、計13haの畑。

Priorat23052009 063
ワイナリーも自然と共生。地下に埋まる建築、屋根にはプリオラートのリコレラ
(スレート状の石)が敷き詰められ、丘の上から眺めるとどこにワイナリーがある
のかわからない。

【モンサン】

そして、そのプリオラートでの経験を活かして、お隣のモンサンでも2003年ワイナリーを
創業。モンサンは、隣人プリオラートと比べられ、長い間プリオラートの影に隠れた存在
だったけど、実際のところ、できるワインは全く違うし、モンサンでも素晴らしいワインが
どんどん誕生し、比較するべきことではない、という意識が定着しはじめているのを感じた。

Priorat23052009 026
前世紀初頭からワインを造り続けてきたマルサ農協の醸造所を購入、ワイナリーを設立。

Priorat23052009 012
中は近代的な醸造施設が整然と並ぶ。

ワイナリーは、DO南西部に位置し、地ブドウ、カリニェナ、ガルナッチャ種を主に栽培。

vinya.jpg
南部の畑「Alba」 古いカリニェナの樹。

vinya2.jpg
北部の標高700mほどの畑。

モンサンには、カリニェナなどの固有品種で大変古い畑がまだ多く残っており、
20haの自社畑は平均樹齢65年を超える。
モンサンの南部、北部、環境の異なる様々な土壌・標高の畑のブドウをバランス良く
ブレンド、クオリティ高いワインがここでも造られている。

Priorat23052009 009
サンブルー、ブルヌスの銘柄で計4種のワインを造る。
サンブルーは伝統的なスタイルのワイン。赤は樹齢の高いカリニェナ、樽熟で造る、
白はガルナッチャ・ブランカがメイン。
ブルヌスは、新しいスタイルを求めたもの、カリニェナがメインの樽熟赤とガルナッチャ
100%で造るロゼ。

この4つ、どれもこれも本当に素晴らしいのだ。。
醸造家のリカルド氏、ここでも「爽やかさ」「エレガントさ」を追求、素晴らしく完成度の
高いワインに仕上がっている。

2007年から世界的に有名なオーストラリアの醸造家、スティーブン・パンネル氏もワイ
ン造りに参加、更にパワーアップ、内外で高評価を博している素晴らしいワインたち。

モンサン、プリオラート共に、自然を尊重した栽培、ブドウ本来の特徴を大事にした
ワイン造りをするワイナリー、Portal del Montsant - Portal del Priorat。
日本にも入るといいなぁ。。

ワイナリーのみなさん、本当にありがとう!

Alfredo, Recardo y todo el mundo de la bodega, gracias a vosotros y vuestros
fantásticos vinos, disfrutamos mucho la visita!
He intentado describir con mucho cariño sobre vuestros bodegas y vinos.
Espero que en el futuro cercano mis compatriotas de mi país puedan disfrutar
de vuestros vinos!
Muak muak :)

今年の2月に綴ったブログ、天才醸造家、ラウル・ペレス氏、ホセ・ルイス・マテオ氏と
モンテレイで造るワインの素晴らしさは今でも記憶に新しい。

ラウル氏は、スペイン国内各地の生産者をコンサルティングする一方で、少量生産に
こだわる造り手のブドウを使う形でワイン生産もしている。ビエルソ、モンテレイなど
ガリシアを中心に水準の高いワインを造っているが、なんとマドリッドでも素晴らしい
ワインを造っているのだ!

DO ビノス・デ・マドリッド、日本ではまだまだ知られていないDOだ。
まさか600万都市である首都マドリッドでワインが造られているとは、なかなか
想像がつかない。でも、ラ・マンチャのちょうど上に位置するこの地域、やっぱり、
昔からブドウ栽培が行われている土地なのだ。この地域のワイン、17世紀には
国王フェリペ4世が王室御用達ワインとしても愛飲されていたとか。フィロキセラ禍や
内戦に見舞われ、一時期衰退するが、80年代に入り、本格的なワイン造りが再開、
90年、DO認定に至る。

この前マドリッドに1日寄った際に、少しマドリッドのワインを楽しむことができた。
赤ワインはガルナッチャ、ティント・フィノ(テンプラニーヨ)など、果実味豊かで、
ラ・マンチャのラインの爽やかでフルーティな赤。まだまだ知らない赤も多く、中には
長熟で味わい深いものも出てきているとか。
白は、地ブドウ、マルバール、アルビーヨ・レアル種が面白い。
爽やかで酸味のキリッとした香り豊かな白になる。

そのマドリッドで、ラウル・ペレスと、ラウルが高く評価するマルク・イサルト・ピノス
という若い醸造家と共に造るワインが BERNABELEVA

Sant Martin de Valdeiglesiasに位置するこのワイナリー、計30haの畑、樹齢40〜
80年の古いブドウ樹で、様々な土壌で栽培したブドウからワインを造る。
醸造する赤4種、白1種のうち、紹介したいのは

Cantocuerdas と   Navaherreros

bernabeleva.jpg

名称 : Cantocuerdas 2007
品種 : Albillo Real 100%
産地 : DO Vinos de Madrid
生産者 : Bodega y Viñedos Bernabeleva

5月初旬のスペイン最大の展示会FENAVINで試飲する機会をいただいた。
マドリッドの地ブドウ、アルビーヨ・レアル種の白。
樽が入ってかなり濃厚だけど、やっぱり素晴らしい味。

名称 : Navaherreros 2007
品種 : Garnacha 100%
産地 : DO Vinos de Madrid
生産者 : Bodega y Viñedos Bernabeleva

大きな樽で発酵、醸しは30日以上。フレンチオーク(225〜600l)で樽熟。
ラウルが手がけるワインにはいつも驚かされる。
果実味、タンニン、樽のニュアンスなど本当に素晴らしい。
これがヨーロッパ南部のガルナッチャなのか?!と疑ってしまうほどの軽さと上品さ。
参った!ラウルってほんとにすごい。。あぁ、こういう味わい、大好きです。。
ラウルのワインは、三桁レベルの少量生産で、国内でも本当に手に入りにくいが、
このNavaherrerosは13000本生産、バルセロナのVila Vinitecaでも手に入り、ほっ。。。
13ユーロほどで、このクオリティは、他にない。買いだめしておくべきだなぁ。これ。

これらのワイン、ワイナリー和泉屋さんが近く日本で販売されることになっていて、
新井社長のブログ「治彦的ワイン日記」で紹介されています!
(新井社長、ワインのお写真、お借りしました!ありがとうございます!)

ワイン通販サイト、ワイナリー和泉屋は、フランスやイタリアを始め、おいしいワインを販売します

ワイナリー名「Bernabeleva」の由来は
「Berna」はインド・ヨーロッパ語族で「熊」を意味し、
「Bernabeleva」は「熊に捧げた森」という意。
ギリシャ神話の狩猟の女神であるアルテミス、ケルト神話の熊の女神アルティオ、
ローマ神話の狩猟神であるダイアナなどの女神たちに由来し、彼女らは、ブドウ酒を
賛美する儀式の際に熊を伴っていたことから由来しているのだそうだ。

無題
ロゴも熊と女神がブドウ酒を持っている。かわいい。

ラウルは最近、ビエルソのワインを携えて来日したのだそうだ。
そのレポートがYomiuriワインニュースに掲載されていた。

「無名の産地を開拓するのが面白いんだ」と。
もう、どんどん開拓して、ラウルのワインを増やして欲しいものだ!

ワインの世界で出会う人達は、ステキな人たちが多い。
もちろん、ワインをこよなく愛するという共通点があるのは、まずあるけれども、
自然を愛する姿勢、クリエイティブな面、目を世界に向けているオープンな性格、
などがワインに携る人たちの多くに当てはまって、接していてとても楽しいのだ。
特にスペイン人は、まだまだ内だけを向いて、閉鎖的な人が多いだけに、すごく
新鮮なのだ。それもそのはず、ワインの世界は、外国の影響が大きい。フランス
から、他国から、醸造家がスペインにやってくる、ワインビジネスを投資しに、外
国人がやってくる、料理の世界と同じで、国境を超えて交流することが普通なのだ。

そして、ワインの世界にずぶずぶと入っていくうちに、ワインを通じての出会いが
多くなっていくうちに、私にとってのスペイン人の魅力が増すことが多くなってきた。
ほんとに刺激的な、この世界。

今回の舞台はプリオラート。

Priorat01052009 050
ワインを知る世界中の人が知っている、スペイン有数のワイン産地のひとつ。
バルセロナから西へ、2時間弱、タラゴナから内陸へわずか40kmほどの所にある。
海に近くてもシウラナ川の谷間、モンサン山系に囲まれているプリオラット。
地中海の影響は少ない。地ブドウ、ガルナッチャ、カリニェナ種などが、斜面の
段々畑で栽培され、昼夜の温度差が大きく、世界唯一といっていいスレート状の
土壌により、アルコール度は高くても、活気のある酸味のおかげで重過ぎない
エレガントなワインができる。品質へのこだわりは、収量がボルドーで35hl/haで
あるのに対し、プリオラートは15hl/haであることからもわかる。
1980年代のプリオラートでのワイン造りの先駆者の4人組、アルバロ・パラシオス、
カルラス・パストラーナ、ホセ・ルイス・ペレス、レネ・バルビエは余りにも有名だ。

そのプリオラートとその周囲を囲むようにしてあるDOモンサンの2地域で、ワイン
文化を押し上げるべく、毎年5月初旬の週末にワイン祭り「Fira del Vi」が開催される。
14年前から始まったこのワイン祭り、様々な市町村で、独自のイベントが同時
開催されるなど、年々活気を増している。

イベントのひとつに「La Nit de les Garnatxes ガルナッチャの夜」 があった。

Priorat01052009 033
これは、モンサンの農協のワイナリー、 Celler de Capcanesが開催しているワイン
祭りで、夜、醸造所を開放し、様々な土壌の畑からのガルナッチャ種で造ったワイ
ンを飲み比べできる、というもので、創作タパス、なども楽しめ、大賑わいとなる。
醸造所がお祭りの会場って、雰囲気バツグンでとても楽しめた。

そして、もうひとつ、プリオラートのグラタジョプスという村のワイン祭り

tast.jpg

「Tast amb llops オオカミたちとの宴」。

グラタジョプスは「Grata」=引っ掻く、「llops」=オオカミが語源で、村のシンボルマーク
にもオオカミが描かれている。オオカミが良く出るのかな。この村にあるワイナリーが
集まって、彼らのワインを楽しませてくれるのだ。
1980年代、プリオラートの先駆者たちは、このグラタジョプス村を最適な栽培地と
見定め、居座った。だから、参加ワイナリーには、アルバロ・パラシオス、ダフネ・
グロリアンのClos I Terrasses、レネ・バルビエのClos Mogador、レネ・バルビエJr.と
奥様サラ・ペレスのSara & Rene Viticultorsなど蒼々たる生産者も含まれている。

Priorat01052009 082

村の小さな広場にテントが張られ、夕暮れ前の涼しい時間から夜にかけて楽しむ
ワインたち。心地よい風が優しく頬をなでる。
光栄なことに、このイベントのPR ビデオを撮るのに、私も参加させてもらえることに
なり、インタビュアーとして生産者の方々に質問をすることに。

Priorat01052009 108
クロス・エラスムスで有名なダフネ・グロリアンのワイナリーで共にワインを造る
醸造家エステル・ニン。「Laurel」というセカンド・ワインを携えて。

rene.jpg
レネ・バルビエ。みんなが「guru 教祖」と呼ぶ、ワイン界の重鎮。テロワールを
誰よりも大事に、それをワインに表現することを貫く。
「私はどこまでも農民です。」 謙虚な姿勢が心に響く。

Priorat01052009 069
アルバロ・パラシオスは来ていなかったけど、新しいワインが紹介されていた。
Gratallops Vi de Vila 2007がファーストビンテージで、まだリリースされていない。
バレルサンプルだったけど、さすが、です。ラス・タラサスが町村を越えた様々な
畑のブドウのブレンド、レルミタ、フィンカ・ドフィは単一畑、新しいビ・デ・ビラは、
その中間にあたるグラタジョプス村のいくつかの畑のブレンドだそうだ。

Priorat01052009 100
ルネ・バルビエJr。奥様、サラ・ペレスさんと、古い畑を復活させ造る素晴らしい赤、
Partida Bellvisosを携えて。「ほんとはクラシコ戦(バルサ−マドリッド戦)観たいん
だけど!」なんて冗談言いながら、若いエネルギー!
(手前右 : 私です。ドキドキ!頭ジャマでごめんなさい。。)

Priorat01052009 116
イタリアからの特別ゲストワイナリー、チェレット。イタリア最高の赤「バローロ」
「バルバレスコ」の銘醸地最高の造り手として世界に名声を博すワイナリー。
輸出マネージャー、ジャンルーカ。

3度目の開催となるこのイベント。

Priorat01052009 113
主催者は、この彼、フレディ・トレス。
彼は Sao del Costerというワイナリーのオーナー・醸造家でもあり、彼自身もグラタジョ
プス村のワイナリーとして、ワインを供出。

Terram 2005 (Sao del Costers) Priorat
名称 : Terram 2006
品種 : Garnacha, Cariñena 主体、Cabernet Sauvignon, Syrah
産地 : DOC プリオラート
生産者 : Sao del Coster

フレディは、スイス育ちのスペイン人。スイスでは良く知れたDJだったのだそうだ。
そんな彼がワインに魅了され、ワインを学び、2004年プリオラートを訪れ、この地の
ワインの素晴らしさに創業を決める。
新しいスタイルで、スパイシーな感じもある、良質のキャンティ・クラシコのような
エレガントさのあるプリオラートだ。
このワイン、もしかしたら近いうちに日本に入ることになるかもしれないそうだ!

そして、もう一方の主催者
グラタジョプスでホテル・レストラン

Cal Llop  
C/ Dalt 21
Tel 977 839 502

を経営する、

Priorat01052009 140
ワルド&クリスティナ夫妻。(右は旦那です。。)
ワルドはもと衛星放送カナル・プルスでプロデューサーを、クリスティナも広告系の
仕事をしていたそうで、自然豊かな場所でホテル業へと転身と、やり手だ。

今回このホテルに泊まらせてもらったが、とてもステキな小さなホテルだ。
Priorat01052009 003
すごくステキなお部屋。色んな色がハーモニーを奏でる。

Priorat01052009 047
書斎。心地よい空間。みんな夫婦が設計したのだそうだ!

Priorat01052009 144
そして、併設するステキなレストランのチーフシェフ、アンヘル。笑顔が最高!

決して、プリオラートで最高のワイナリーを集めた上流気取りのイベントではなく、
グラタジョプスならではのワイン造りを維持しようと努力しているワイナリーの集まりだ、
そんなことを強調していたフレディ。
自然体な雰囲気がそれをちゃんと伝えていた。

素晴らしいイベントだった!
参加させてもらえたことに感謝!
ステキな人達に、ステキなワインたちに出会えたことに感謝!

ビエルソと共に新黄金郷として最近注目されている、トロ。

Zamora県の南東に位置するDO。ワイン醸造の歴史は古く、紀元前1世紀から現在の
カンタブリアやアストゥリアスにワインを供給していたほどだそうで、スペインでも最も
古い歴史を持つD.O.のひとつに数えられる。内陸性気候。寒暖の差が激しい。
最低気温は零下11度まで下がり、夏は37度くらいまで達するという厳しい気候。
年間降水量350〜400mmととても少なく、砂と粘土と石灰質の礫岩の土壌。
19世紀末、フィロキセラ被害がヨーロッパ中を吹き荒れた際、スペインで生き延びた
土地のひとつにToroがある。雨がごくわずかしか降らず、砂質の土壌であるおかげで、
フィロキセラも生きられなかったのだ。そのため、Toroには樹齢100年ものの樹が残っ
ている。地ブドウ、ティンタ・デ・トロ(tinta de toro)で造る赤が大半の地域だ。

トロには、凄腕の生産者たちが注目、あのスペイン最高峰「ウニコ」の造り手、ベガ・
シシリアが造るピンティア、J & F リュルトンのエル・アルバール、パーカーポイント
98点を獲得したヌマンシア、マリアノ・ガルシア造るサン・ロマンなどなど、錚々たる
スーパースパニッシュが揃っているが、そうしたワインを含めて、MATSUをブラインドで
比較をした際に、ワイン専門家がベストと評したのが「MATSU」だったそうだ!

MATSU 2007.02

名称 : MATSU 2006
品種 : Tinta de Toro 100%
産地 : DO Toro
生産者 : Vintae

matsu.jpg

「MATSU」

日本語の「待つ、松」から「わびさび」をイメージしてつけた名前だそうで、名前から
して日本人にはとても親しみやすい。
生産者であるビンタエは、ログローニョを拠点に置き、スペインの様々な産地で
高品質ワインを造るグループで、コスパの高いワインを造ることで、国内外で注目
されている。定めた地で、まず畑を購入、どこかのワイナリーを借りるなどしてワイン
を造り、軌道に乗ったら醸造所を造るというやり方で、投資額をワイン価格に乗せる
負担が減り、価格を抑えることができるという。
実際、先述のトロのスーパースパニッシュのワインたちよりも、MATSUは遥かに手頃だ。
エチケットのお祖父さんは、Vintaeが購入した100年以上もの貴重なブドウ樹のある
畑を大切に守ってきた農夫の方だそうで、彼の尽力に感謝・敬意を表して捧げたもの
だそうだ。

スペインでは主に有名レストラン、限られたワインショップに置かれ、リリース前から
話題で、バルセロナでもなかなか手に入らない。レストランで飲んで気に入ったお客
さんが、ワインショップで手に入らずレストランで直接購入するケースが後を絶たない
のだそうだ。

幸運にも、Vintaeの営業担当の方がサンプルを下さり、試飲してみた。
とても美味しい。
抜栓してすぐ最高潮に楽しめて、と同時に長熟のポテンシャルもしっかり持って、
時間を経て更に楽しめる、そんなワイン、なかなかない。そんなMATSU、びっくりした。
100年以上のフィロキセラ以前のブドウ樹からのブドウで造ったテロワールを感じるトロ。
今も10年後も最高潮に美味しいであろうMATSU。

2006が初ビンテージ、生産量22000本。
こんな少量でも、日本で楽しめるのだそうだ!

ワイナリー和泉屋さんが扱われるのだそうだ。
国内でも入手するのが難しく、海外からも引き合いがすごいというのに、すごいなぁ。

ワイン通販サイト、ワイナリー和泉屋は、フランスやイタリアを始め、おいしいワインを販売します

BodegaLluis 005
家の近くにあるお気に入りの酒屋。ボデガ・ルイス。
ボデガとはワイナリーを意味するけど、酒屋のことも指す。

BodegaLluis 009
タイムマシンに乗って昔に戻ったかのような錯覚を覚える店内。

BodegaLluis 011

酒屋は酒屋でも、こんな、量り売りでワインを売る樽が並ぶ古い酒屋のことを
ボデガと言っている。ボトルワインももちろん売ってるし、大抵、いくつかの机が
あって、そこで一杯飲んだり、つまみを食べたりできるスペースがある。

BodegaLluis 010
レトロなインテリアに囲まれて、店の人とお喋り、平日の朝など、近所の
おじいちゃんたちがペットボトルや瓶などを持って、量り売りワインを買いに
来ては、ちょっと一杯。太陽の光が差し込み、日向ぼっこしながら道行く人を
眺めるうちにうとうとしたくなる隅っこの席。
すごくゆっくりした時間が流れるそのスペースが、私は大好きだ。

BodegaLluis 003
ここでのお決まりはベルムット。
フランスやイタリアが本場で、ヴェルモット、ヴェルムトなどと呼ばれるフレー
ヴァード・ワイン。ニガヨモギなどの香草やスパイスを配合してつくられるワイン。
スペインのフレーヴァード・ワインといえば、サングリアのほうが有名だけど、
スペインにもヴェルモットはあって、現地の人はサングリアよりもベルムットの
ほうを好んで飲む。
ベルムットは、そのまま楽しんだり、左にあるシフォンと呼ばれるソーダ水(甘く
ない)で割って飲んだり、その時々に合わせて楽しめるからまたいい。
そして、お店ごとにベルムットの味が変わるのは、各お店がベルムットに、
ちょっとしたリキュールを加えるから。それがどんなリキュールなのかは企業
秘密らしく、教えてくれない(笑)。

心地よい太陽の光を浴びながら、ゆっくりとベルムットを飲んで、新聞読ん
だり、お喋りしたりする土曜日の朝。すっごく贅沢だ。。

春、初夏と、ますます楽しめる季節、到来だ!


1ヶ月ご無沙汰してしまった。。
何かとバタバタと、そして、両親が日本から来て、アンダルシアを旅していた。
約7年ぶりに訪れたアンダルシアのエキゾチックな雰囲気は懐かしく、久しぶりの
親子の会話、口喧嘩、笑いも新鮮で、忘れられない旅になった。

もちろん、アンダルシアでの新しいワインとの出会いも楽しみで、シェリーの土地だからと、
シェリーも楽しみつつ、寄ったロンダ。
南のワインはほとんど甘めで、本当にドライなものは少ないという一般的なイメージを覆す、
しかも高品質なワインをロンダで発見した!

Andaluciapadres09 154
ロンダは、マラガ県にある、エステポナから100kmほど内陸に入った山間の町。
日本のアンダルシアを回るパックツアーでも、ロンダは必ず入るほど人気の町。
それもそのはず、町は断崖絶壁にあり、旧市街と新市街を高さ100mにもなる
プエンテ・ヌエボ(新橋)が結んでいるという素晴らしい環境。
町からの眺めも絶景、複数の山脈が連なるこの地には、旧石器時代のクロマニョン人
たちが描いた壁画(約2万5千年前!)が残る世界的にも貴重なピレタ洞窟があったりと、
魅力は尽きない。

標高600mほどのこの地域、気候、土壌的にも良いブドウができる条件が揃っている
のだろう。1982年頃から、ドイツ人のブドウ栽培者Frederic Schatz氏が、この地で
初めて高品質なワイン造りに取り組み始め、他の生産者も続き、近年、スティル
ワインの品質が急速に向上しているという。

Andaluciapadres09 159
そんなワイン文化向上の一助になるべく、ロンダに1週間前にオープンしたワインバー
「La Gota de Vino」。ちょうど宿の目と鼻の先にあり、その雰囲気の良さに入って
みたら大当たり!すっごくいいバーだった。ちょうど、オーナーさん、その友人達が
たくさん集まっていた時間で、私も仲間に入れてもらってワインを楽しんだ。
多くのロンダのワインもグラスで楽しむことができ、お店を任されているホセ・アント
ニオさんも、ワインに詳しく外国人の接客もわきまえたプロ。
すごく居心地のいいバーだ。

La Gota de Vino
C/ Sevilla 13

Andaluciapadres09 162
右の方、オーナー。開店記念にと、友人たちや私にお気に入りのマウロ(マリアノ・
ガルシア)を振舞ってくれた。

いただいたロンダのワイン。

Andaluciapadres09 158
名称 : Chinchilla Nuevo 2006
品種 : Tempranillo 100%
産地 : DO Málaga y Sierras de Málaga / Serranía de Málaga
生産者 : Bodega Doña Felisa

ワインバーのオーナーとこのワイナリーのオーナーが大の親友だということで、
ワインバーでも、このワイナリーを前面に出して販促している。
友達だから、というわけではない。信頼できる品質がお互いにあるからこそ、
成り立つのだ。このホーベン赤も、果実味、酸しっかり、爽やかさとバランスが
とても良く、8ユーロ弱という店頭価格からするとコスパ抜群。
この土地で栽培されるテンプラニーヨは、通常のものより果実が小さめで、
色素、タンニン、味わいなど更に凝縮感の高いものに仕上がるのだそうだ。

Andaluciapadres09 161
名称 : Creación Conrad Soleón 2006
品種 : Cabernet Sauvignon, Cabernet Franc, Merlot, Petit Verdot
産地 : DO Málaga y Sierras de Málaga / Serranía de Málaga
生産者 : Bodega Coto de la Viña San Jacinto

これは素晴らしい赤だった!ロンダの町から東に4kmほど行ったニエベス山脈
(Sierra de las Nieves)の麓にあるワイナリー。1999年創業、6.5haの畑に砂利の
多い石灰質、石ころの多い石灰質と二種類の土壌で、この赤に使われる4品種を栽培。
フレンチ・アメリカンオークで12ヶ月樽熟。
コンラッド、ロンダのワインで目指すべきとされるうちの一本だそうだ。

この二つを飲んだだけで、ドライな赤・白のクオリティの高さは明瞭で、新しいワイナリー
が多い中、ロンダのワインは短期間で急速に成長したことが伺えた。

ロンダのワインは現在DO Málaga y Sierras de Málagaに属しているが、近い将来、
独立した原産地呼称としてDO Serrania de Rondaを獲得する方向で動きがあるの
だそうだ。現に昨年から、DO Sierras de Málagaの中のサブゾーンとして
Serranía de Rondaを名乗ることができるようになっているのだそうだ。
DO Malagaは甘めのワイン、シェリー系がメインのため、ロンダのドライなスティル
ワインをDOの中に含めておきたい、という政策的な絡みもあるみたいだ。

Andaluciapadres09 189
このワインバー、レストランでもあり、腕利きのシェフさんがいて、おつまみ、
一品料理なども充実している。

Andaluciapadres09 190
両親とホセ・アントニオさん。
ホテルでの勤務経験を持つホセ・アントニオさん。ワインに詳しいだけでなく、外国人
の接客にも慣れていて、英語もバッチリ。
これだけ充実したワインバーはロンダでは第一号ではないだろうか。
ロンダを訪れる人がいたら、是非立ち寄って欲しい。

Andaluciapadres09 174
ロンダで感じた日本、8分咲きくらいかな。桜。
春だなぁ。

Queridos Jose Antonios, el gerente y todo el mundo que conocí
en el bar "La Gota de Vino",

Estoy muy agradecida por vuestra amable acogida y por compartir un
rato agradable con los fantásticos vinos de Ronda (y Mauro, también!!).
Es un bar muy acogedor con buen gusto con un experto de buen nivel de
vinos, estoy segura de que ya está teniendo éxito!
Los vinos de Ronda aún no está muy conocidos nisiquiera en
España, pero con la calidad que se está consiguiendo, no tardará
mucho en que conozca más gente.
Cuando vuelva a Ronda, me gustaría visitar a las bodegas de la zona!
Hasta pronto!!

Yuko
ワイナリーのサイトでこんなに笑ったのは今までにない!
というか、少しでも笑えるサイトに出会ったこともない。
マジョルカの最近大注目のワイナリー、4 kilos (クアトロ キロス)のサイトだ。

フランセスク・グリマル(Francesc Grimalt)とセルヒオ・カバイェロ(Sergio Caballero)の
二人の若いエノロゴが2006年に創業、ブドウ栽培に精魂を込め、個性があり、エレガントな
赤を造る。

彼らは、去年の後半に日本に行って、ODEXさんというインポータと契約が成立したようで、
既に日本には入っているかもうすぐ販売されるか、という感じだ。その、日本への旅が
ワイナリーのサイトのビデオで見れる。
題して「日本のインポータを探す4 kilosと12 Voltsの旅」



彼らが造るワインは「4 kilos」と「12 Volts」の2種類の赤。
ビデオは、それらのワイン自身が買い手に辿り着くまでの旅をしている設定で、
すごくかわいい!場所や、ボトルの位置、すごくユーモアがあって、日本のお笑いと
似た感覚ですごくいいなぁって思った。ワイナリーの背景なんかもすごく独特だ。

「クアトロ・キロス」とは俗語で「400万ペセタ」を意味する。
創業する際の投資額が400万ペセタ(約300万円)(ユーロの時代になってもまだ慣れ
ないスペイン人、高額を言う時はよくペセタを使う(笑))のみだったという。
もともと農家のガレージにあった牛乳の冷却器を代用してブドウ果汁を発酵したり、
様々な工夫をして立ち上げたのだそうだ。すごい。。しかも、牛乳の冷却器は通常の
ワインの発酵槽に比べて広くて浅く、それが、より高い醸し効果を出す、ということで、
一石二鳥というわけだ。

4_entrada3.jpg
シンプルなセラー。

そんな環境で造るワイン、ほんとに素晴らしいのだ。

名称 : 4 kilos 2006
品種 : Cabernet Sauvignon 85%, Callet 15%
産地 : VdT Mallorca
生産者 : 4 kilos Vinicola

中濃度のアメリカンチェリー色、熟した赤果実、湿った枯れ葉、ハーブ系、するっと
入る滑らかな口当たり、果実味、滑らかなタンニン、飲み易い心地よさと上品さ、
そして複雑さも持ち合わせる。

こちらでの店頭価格は28ユーロほど、とちょっと高いが、マジョルカ島の最高級の
ワインのひとつであることは間違いない。生産量も3000本と希少。

エチケットも斬新だ。ビンテージごとにデザインを変える。世界中の若くて斬新な
デザイナーの絵を採用。


6_8imatge-etiqueta-big.jpg
2006はカナダ人デザイナー Marcel Dzamaによる。
木の幹からバラが延びて、ぞうさんが水(いや、ワイン???)をあげている。
なんともいえないかわいさ。

58_4kilos-2007.jpg
2007は若きフランス人デザイナー Abdelkader Benchammaのもの。

2007は、中身も進化している。カベルネ・ソーヴィニョンは50%、土着品種のカイェット、
フォゴネウ種が40%、メルローが5%。フレンチオーク新樽で14ヶ月熟成。

普通のやり方じゃなくても、良いワインは造れる、それを片意地張らずに遊び感覚で
やっている、そんな印象を与えてくれる二人。マジョルカに行ったら、絶対に訪れなく
ちゃいけないワイナリー。

39_grimalt-caballero-4kilos-01.jpg
埋まる二人。

39_grimalt-caballero-4kilos-04.jpg
自然の恵みへの感謝の踊りか。。やっぱり面白い、この人たち(笑)。

08年から最も注目されている新星スペインワインの一つ!

無題1

山のほうに行けば、見慣れたスペインの風景かもしれない。
山の斜面に畑が広がる。

無題

でもこれが、標高1130mの場所にあると知れば、とっても驚きだ!

sacagaleriaphp.jpg

名称 : Agala 2007
品種 : Tintilla 100%
産地 : DO Gran Canaria
生産者 : Bodegas Bentayga


グラン・カナリアスの中心部、Tejeda山のある最も標高が高い場所(1130m)に
位置するワイナリー。高地のため、冬は寒く、夏は暑く、昼夜の温度差が大きい。
年ごとに品質が向上しているとのこと。土着品種ティンティーヤ種100%の
このアガラというワイン、DO内ではおそらく最もクオリティ高いワインだ。
これからが楽しみなワイナリーか。
Guia Peninの中で、DO内で最高得点のワインでもあり、バランスも取れていて
スパイシー、樽のスモーキーさと果実味も調和されていてなかなか良かった。

ブドウ栽培に適する条件は北半球では北緯30〜50度といわれる。
でもカナリア諸島があるところはイベリア半島からぐーんと南下し、27度の位置!
範囲外。。。標高や気候条件などで栽培が可能なのだろうが、それでも厳しい
環境なのには違いない。
ランサロテのとても興味深いブドウ栽培を思い出す。

カナリア諸島を旅した友達が持ってきてくれた。

スペインワインって地域ごとに特徴が全然違って、とても面白い!
同じスペインでも、生産量が少なく、島内消費用に回るカナリアのワインたちは、
国内でもなかなか手に入らない。それでも、いくつか飲む機会があり、まだ荒さは
あってもポテンシャルを感じるワインたち、厳しい環境、大変興味深い栽培方法
など、まだカナリア諸島を訪れたことのない私にとっては、想いはつのるばかりだ。
是非今度行くぞ!


ガリシアにある5つのDOのうち、DO Monterrei(モンテレイ)は、ガリシア州の最も
内陸部、オーレンセ県の南部、ポルトガルとの国境に接する地域で、この以前は忘れ
られていた地域が俄かに注目を集めている。その注目の真ん中にいるのがオーナー、
Jose Luis Mateo氏、そして共に栽培・醸造を手がけるRaúl Perezが率いるワイナリー
Bodegas Quinta da Muradellaだ!

Quinta do Muradella 002
ラウル・ペレス氏(左)とホセ・ルイス・マテオ氏(右)

その生産量の少なさ、品質の高さ、注目度の高さ、はっきり言ってスペインでもなか
なか手に入らない。バルセロナというワインが手に入りやすい大都市に住んでいても、だ。
大きなワイン屋も店頭に置く前から売り先が決まっている、ディストリビューターに
問い合わせても、売り切れ、次の入荷は全くわからない。そんな有様。
でもそんなワインが日本で手に入るというからまたびっくり!(文末参照)

このワイナリーのワイン、ラウル・ペレス氏のワインをもっと飲んでみたいと思ったのは、
去年の10月の試飲会で、Gorviaシリーズを飲んだ時から。その完成度の高さ、エレガ
ントさに初めてモンテレイのワインを飲んだ私は、パンチを食らったようだった。

彼らのワインを求めるも、手に入らず、、そんな折、 Vila Viniteca がこのワイナリーの
試飲会をやってくれたのだ!

DO Monterreiは1994年にDO認定、潜在的にある畑面積は3000haだが、実際に栽培
されているのは600〜700ha。それでも4年前の6ワイナリーから現在は24ワイナリーに
増え、成長している。ドゥエロ川の直接の支流であるタメガ(Tamega)川が縦断し、山に
囲まれ谷間を作り、その斜面に畑が広がる。かなり急な斜面で、作業は全て手による。
機械も動物も入り込めないほどの急斜面で、厳しい環境なのだそうだ!

そんな土地で1993年に創業し、家族経営のワイナリー、Quinta da Muradella。
その土地、品種を知りつくしワイン造りを続けるホセ・ルイスさんに、ここだと見定めた
様々な地域でワイン造りをする天才若手醸造家、ラウル・ペレスさんが2000年から
加わって共にワインを造っている。
34区画に細分化された24haの畑のうち14haは自社畑。標高360mから900mほどと
全ての畑はガリシア有機農業統制委員会(Craega : Consejo Regulador de
Agricultura Ecologica de Galicia)より認証された有機栽培の畑。
白ブドウはドニャ・ブランカ、ゴデージョ、トレイシャドゥラなど、黒ブドウはメンシア、バス
タルド、カイニョ・レドンド、カイニョ・ロンゴなど、この土地固有の品種が多く栽培される。

今回の試飲会ではワイナリーのほとんどのワインを試飲させてくれた。

quinta2.jpg

Quinta da Muradella Alanda Blanco 2007
Quinta da Muradella Alanda Tinto 2006
Gorvia Blanco 2007
Gorvia Tinto 2005
Quinta da Muradella Bastardo 2005
Quinta da Muradella Finca Notario 2005
A Trabe 2005

どれもこれも、完成度が非常に高く、ひとつひとつに個性が際立って素晴らしかった。

Quinta do Muradella 006
名称 : Gorvia Tinto 2005
品種 : Mencía 90%, Bastardo 5%, Caiño redondo 5%
産地 : DO Monterrei
生産者 : Bodega Quinta da Muradella

一番気に入ったのがこれ。Gorviaの畑からの単一畑のワイン。
南向きの緩い斜面の畑。粘土質、片岩粘板岩質(スレート)土壌。標高420m。
樹齢15年。樽熟14ヶ月(新樽比率約30%)。
赤果実、ハーブ系、チョコの香り、酸とのバランスが素晴らしく、爽やかな味わい。
ブルゴーニュ系のエレガンス。店頭価格は28ユーロほど、生産量は3000本ととても
少ないことを考えると、コスパは最高。

Quinta do Muradella 001
名称 : A Trabe 2005
品種 : Zamarrica 40%, Bastardo 30%, Verdello tinto 10%, Mencia 10%,
Tinto Serodio 5%, Garnacha tintorera y otras 5%
産地 : DO Monterrei
生産者 : Bodega Quinta da Muradella

ラウル・ペレス氏の赤。さすがです。標高800mの高い畑、スレート状の土壌。
熟すのが難しい環境。プロジェクトが始まって5年になるが、ワインが出せたのは2005、
2006のみだったということでその厳しさがうかがえる。樹齢100年以上のブドウ樹から。
生産量200本!!ほんっとに少ないのだ!

quinta1.jpg
BrancellaoとSousonという品種でもワインを新たに造っているそうで、樽からのサン
プルを試飲させてくれた。これらもすごく楽しみな赤だ。

今回、ラウル・ペレスという醸造家を少しの時間だけど近くで話を聞いたりすることが
できたのだけど、「異端児」「天才醸造家」と呼ばれている所以が少しわかった気がした。
多分私と同じくらいの年なのだろう、小柄でしっかりと空を見据える目が印象的。
ラウルはチャレンジの人・好きなことに忠実な人だ。難しいこと、誰もやっていないこと
に関心が行き、それができてしまうのだと思う。だから、既成の概念、ルールは彼には
存在しない。ワイン造りのための設備は最小限でいい。
普通に使われている発酵前の冷却装置など昔はなくてもできていたのだから、なしで
できるはず。設備に頼りすぎるワイン造りについて、試飲会に来ていた他のワイナリーの
人たちと意見を異にして、議論を交わしていた。
ラウルは樽を操る天才だそうだ。果梗を除かずに醸造することに狂ったような情熱を注ぐ。
果梗と共に醸造するとベジタルな味わいが突出してしまったり、すごく難しいのに彼は
それをやってのける。
ほんとにすごい人なんだ!

そして、冒頭にも書いたけど、これらのほとんどお目にかかることのできない、ラウル・
ペレスが手がけるワインたちが日本でも楽しめるのだ!

ワイナリー和泉屋さんが扱っている。
入荷はまだのようだけど、チェックしておくといいと思う。
(→ コメント欄にワイナリー和泉屋さんの新井社長より、詳細入荷情報が
  ありますので、参照下さい!)
本当に素晴らしいワインたちで、飲む価値大だ。
スペインの新たな魅力感じられるワインたち。
ワイナリー和泉屋さんは世界中の魅力的なワインを扱われているが、近年スペイン
ワインの取扱い数をどんどん増やしており、コストパフォーマンスの高い良品を多く
紹介している。新井社長が経営される池袋にあるワインバー エスペルトも、そこでしか
楽しめないハイクオリティなスペインワインを多く楽しむことができる。
日本に住んでいたら、きっといりびたるだろう(笑)。

ワイン通販サイト、ワイナリー和泉屋は、フランスやイタリアを始め、おいしいワインを販売します

品種、畑ごとに別々に醸造、適性によって、ステンレス、樽などを使い分ける、
樹や品種の特性、個性を最大限に尊重した醸造を目指す。
特に、発展途上のこのDOのような土地では、自分達の力で答えを一つずつ見つけ
だしていかなければならないから本当に難しいことだと思う。
自然との対話。農業って本当にすごい。
そしてその自然と人の手とが完全なる調和を見せる時、ラウル・ペレスのワインの
ような大作ができあがるのだろう。